ベニバナトチノキ マロニエを交配して作出された園芸品種で、ソフトクリーム状の花序を出す。
マロニエを交配して作出された園芸品種「ベニバナトチノキ」
ベニバナトチノキ(紅花栃の木)は、トチノキ科トチノキ属の落葉性樹木です。トチノキ科トチノキ属は北アメリカやインド、日本等の東アジア、ヨーロッパなどの広い地域に15種前後が分布しますが、日本には「トチノキ」1種が自生します。
ベニバナトチノキはヨーロッパ産の「マロニエ(セイヨウトチノキ)」と、北アメリカ産の「アカバナアメリカトチノキ」を交配して作出された園芸品種です。
ベニバナトチノキが日本に渡来したのは大正時代末期で、マロニエよりも普及しています。ベニバナトチノキは、トチノキを台木とした接ぎ木による繁殖が主流です。
ベニバナトチノキは公園や植物園などで稀に植栽されるのみで街路や公園には少なめですが、銀座のマロニエ通りなどに見られます。パリのシャンゼリゼ通りでは、マロニエと共にベニバナトチノキが植栽されて通りを彩ります。
ソフトクリーム状の花序を出す「ベニバナトチノキ」
ベニバナトチノキの開花時期は、4~5月です。ベニバナトチノキは枝先に長さ10~20㎝の大きなソフトクリーム状の花序を出し、淡い紅色または朱色の混じったピンクの花を咲かせます。
ベニバナトチノキは「ベニバナ」という名前ですが花はピンク色であることが多く、母種のアカバナアメリカトチノキのような濃い赤にはなりません。なおもう一方の親であるマロニエは、淡いクリーム色の花にわずかな赤みが入ります。
ベニバナトチノキの花は直径2㎝ほどで、先端が細く尖る雌しべ(花柱)1本と先端に黄褐色の葯がある雄しべ7本があります。またアカバナアメリカトチノキの花びらは筒状ですが、ベニバナトチノキは花びらが開きます。
ベニバナトチノキの果実は直径3~5㎝の球形で、表面にはマロニエの果実と同じようにトゲがあります。トチノキの「ト」は十の意味で多くの果実ができることを表していますが、ベニバナトチノキは日本のトチノキのように成熟することがほとんどありません。
複数の品種がある「ベニバナトチノキ」
ベニバナトチノキとして知られているのは「プリオッティ」や「パピア」、「パブリフォリア」などの品種があります。
プリオッティはベニバナトチノキの改良品種で、背が高くならず植えた二年目に上品な花を咲かせます。
パピアは1.5m程になる低木で、小さな苗木のうちから赤い花を咲かせます。パピアはベニバナトチノキに接木すると4~5mの中木に育ちます。
バブリフォリアはアメリカ原産の矮性種で、白くて大きな花が咲くのが特徴の品種です。

