ウンシュウミカン おいしさと種なしで主流。育てやすく、実つきがよい。 

おいしさと種なしで主流「ウンシュウミカン」

ミカンは甘い柑橘(かんきつ)ということから、漢字では「蜜柑」と表記され、冬の季語にもなっています。

ミカンの皮がオレンジ色に見えるのは、「フラベド」と呼ばれる外果皮のためで、果実が成熟するにつれて緑色から黄色、オレンジ色へと変化していきます。

明治の中ごろまではミカンといえば「キシュウ(紀州)ミカン」のことで、「ウンシュウ(温州)ミカン」は当初は「長島蜜柑(ナガシマミカン)」や「唐蜜柑(トウミカン)」等と呼ばれていました。

ウンシュウミカンは種子を生じないという性質から、武士の時代にあっては「縁起が悪い」とされて、ほとんど栽培されることはありませんでした。

しかし、江戸時代後期のころになると、「おいしさ」と「種なしの利便性」から栽培が行われるようになり、明治以後になるとウンシュウミカンが主流となりました。

育てやすく、実つきがよい「ウンシュウミカン」

ミカンの開花時期は、5月初旬頃の2週間から3週間ほどです。

ミカンの花はジャスミンに似た鮮烈な香りで、心を落ち着かせてリラックスさせる効果があります。ウンシュウミカンは主に関東以南の暖地で栽培されており、温暖な気候を好みます。

ウンシュウミカンは、柑橘類の中では比較的寒さに強いため育てやすいうえ、実つきがよく、また食べやすいので、人気のある果樹です。

ウンシュウミカンの収穫期は11月から12月頃にかけてが多くなりますが、近年では9月から収穫される「極早生品種」も登場しています。

偶然に生じた「ウンシュウミカン」

ウンシュウミカンは中国原産と思われがちですが、中国より僧侶が持ち帰った柑橘の種子を鹿児島県長島(ながしま)に着船したおりに蒔いたものの中から偶然に良質のものが生じたのが起源とされています。

ウンシュウミカンは、中国原産の「キシュウミカン」とインドシナ原産の「クネンボ」が掛け合わさってできたといわれています。

ウンシュウミカンの英名が「サツマオレンジ」と呼ばれていることは、ウンシュウミカンの誕生の背景をよく伝えていると言えます。

漢方では、ミカンの未成熟なものの果皮を干したものを「青皮(せいひ)」、熟したものの果皮を干したものを「陳皮(ちんぴ)」として利用しており、陳皮は「七味唐辛子」の材料としても用いられています。