エゾムラサキ 日本で唯一のワスレナグサ属の在来自生種。花はさそり型につき、直立する傾向がある。

日本で唯一のワスレナグサ属の在来自生種「エゾムラサキ」

エゾムラサキ(蝦夷紫)はムラサキ科ワスレナグサ属の多年草で、日本では北海道や本州関東地方北部および中部の山地の林内で見られます。エゾムラサキは南千島やサハリン、朝鮮、中国東北部および北部、シベリア、ヨーロッパ、北アフリカにも分布しています。

エゾムラサキの名前は北海道に生育することから古称の「蝦夷(えぞ)」と、エゾムラサキの根(紫根)から紫色の染料をとったことに由来します。

エゾムラサキの別名には「ミヤマワスレナソウ(深山勿忘草、深山忘れな草)」、「ミヤマワスレナグサ」があります。

エゾムラサキは日本で唯一のワスレナグサ属の在来自生種で、広義のワスレナグサとして園芸流通もしています。

ワスレナグサ イギリスから輸入。米粒ほどの小さな花で、園芸的に親しまれている。

花はさそり型につく「エゾムラサキ」

エゾムラサキの開花時期は、5月~7月です。エゾムラサキの花はさそり型につき、開花後には長さ10~25㎝にもなります。

エゾムラサキの花びらは6~8㎜ほどで、はじめから淡い青紫色で5裂し中心部分が鮮やかな黄色となっています。

エゾムラサキの葉は互生し長さ2~6㎝、幅0.7~1.2㎝といった先の尖った長楕円形で、茎は枝分かれが多いのが特徴です。

エゾムラサキの果実は暗褐色に熟し、滑らかで光沢があります。

直立する傾向がある「エゾムラサキ」

エゾムラサキはワスレナグサと同種のため、ワスレナグサとよく似ています。

ワスレナグサとの違いは、ワスレナグサの茎が這うのに対し、エゾムラサキは直立する傾向があります。またエゾムラサキはワスレナグサと比べて「がく片」の切れ込みが深く、曲がった毛が開出します。

エゾムラサキの類似種にはがくの裂け方が浅く、開出する毛は見られない「シンワスレナグサ」やヨシ原の中で周囲にもたれかかって生育する「ナヨナヨワスレナグサ」、花が3~4㎜と小さい「ノハラムラサキ」、「ハマワスレナグサ」があります。

また「ヤマルリソウ」や「ルリソウ」、「エチゴルリソウ」などもエゾムラサキとよく似ていますが、いずれも「ルリソウ属」のためエゾムラサキとは異なる品種となります。

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