キンモクセイ 「ギンモクセイ」の変種で、秋の訪れとともに香る花。

「ギンモクセイ」の変種「キンモクセイ」

キンモクセイ(金木犀)は、常緑性の小高木樹です。 葉は濃い緑で、光沢があります。

高さは3mから大きい樹木で10mほどまで育ち、日本では観賞用として公園樹、生け垣、記念樹や鉢植えでよく栽培されています。

キンモクセイは中国南部が原産で、もともとは花が白色の「ギンモクセイ」の変種です。日本には江戸時代に伝わってきました。

本来キンモクセイは雌雄異株ですが、日本に輸入された際に花つきの良い雄株しか入ってこなかったことから、日本に植えられているキンモクセイには実(種)がつきません。

キンモクセイの名前の由来は、樹皮の紋様が動物の「サイ(犀)」の皮に似ていて、金色の花を咲かせるからといわれています。

またキンモクセイは遠くまで香りが届くことから、古くは「千里香」とも呼ばれていました。

秋の訪れとともに香る花「キンモクセイ」

キンモクセイは9月下旬から10月中旬に、強い芳香のあるオレンジ色の5mm程度の小さな花を枝に密生させて咲きます。近年ではキンモクセイの開花が年々早まっている傾向があります。

キンモクセイの香りは、低温、多湿になると特に強く香りますが、夜間は近くになくても、香りが感じられるほどに強く香ります。

またキンモクセイは一度咲いたあと、再び蕾が出て開花し「二度咲き」することがあります。

キンモクセイはジンチョウゲ(沈丁花)、クチナシ(梔子)とともに、香りの強い花をつけることから、「三香木(さんこうぼく)」と呼ばれて親しまれています。

ジンチョウゲは、2月から4月に小さな花のかたまりを枝先につけ、クチナシは、6月から7月頃に肉厚の白い花を咲かせ、冬には黄赤の実をつけます。

キンモクセイとジンチョウゲの香りはよく似ていますが、春先に香るのはジンチョウゲ、秋の訪れとともに香るのはキンモクセイです。

花びらを食用や薬用にも使う「キンモクセイ」

キンモクセイの原産地の中国では、モクセイの花は「丹桂(たんけい)」や「桂花(けいか)」と呼ばれています。

中国では、キンモクセイの花を観賞用以外に、緑茶をベースにしてキンモクセイの花の香りを移した「桂花茶」や、キンモクセイの花を白ワインに漬けこみ熟成させた「桂花陳酒」、キンモクセイの花を砂糖で煮た「桂花醤」など、花びらを「食用」や漢方薬として「薬用」にも使っています。

またキンモクセイの幹は非常に緻密で堅いため、そろばんの珠や印鑑の材料などにも使われてきました。

キンモクセイの園芸品種は少なく、同じモクセイ科の仲間に「ヒイラギモクセイ」があります。ヒイラギモクセイは、「ギンモクセイ」と「ヒイラギ」の雑種と考えられている植物です。

ヒイラギモクセイは芳香のある白い花が咲きますが、葉は楕円形で縁にとげがあり、生け垣などにも利用されています。