ネジバナ 最もありふれたラン科の植物。左巻きも右巻きもある。

最もありふれたラン科の植物「ネジバナ」

ネジバナは耐寒性・耐暑性があり、低地から亜高山帯までの、芝生や湿地帯の日当たりのよい明るい場所に見られる多年草です。

ネジバナは日本では、最もありふれたラン科の植物のひとつで、北海道から沖縄にかけて分布しています。海外では、朝鮮半島、中国、サハリン、シベリアといった東アジアに広く分布しています。

ネジバナは別名を捩摺(もじずり)とも言い、夏の季語になっています。

万葉集には「芝付(しばつき)の御宇良崎(みうらさき)なる根都古草(ねつこぐさ:ネジバナ)逢ひ見ずあらば吾(あれ)恋ひめやも(あなたと逢うことがなかったら、こんなに恋しく思うだろうか)」と詠まれています。

左巻きも右巻きもある「ネジバナ」

ネジバナが開花する時期は6月から7月頃で、株の中心から花茎をまっすぐに伸ばして、茎先に螺旋(らせん)状にねじれた花をつけます。ネジバナのねじれは、左巻きも右巻きもあります。

ネジバナの1つの花は5mm弱ですが、明るい桃色と独自の形で目立ちます。ネジバナの花が終わった後にできる実は、熟すると下部が裂け、ネジバナの種子が散布されます。

ネジバナは冬葉と夏葉があり、季節によってその姿が変わります。ネジバナの冬葉は、短くて丸い形をしており、地面にへばりつくように放射状に広がりますが、ネジバナの夏葉は、細長く大きい形をしています。

ネジバナは常緑性で、地上部が枯れてなくなることはありません。

栽培は非常に難しい「ネジバナ」

ネジバナはラン科では珍しく、身近な生活環境の場に自生して、都市部でも庭園の芝生や土手、公園等の人間の生活圏に近い所で花を咲かせています。

ネジバナは、サツキや他種の山野草を植えた鉢などに落ちた種子からも発芽し、普通に繁殖していることから、花の綺麗な「雑草」として扱われることもあります。

ネジバナを育てることは簡単なように感じますが、実際には、野生で自然に育っているネジバナと違い、人の手で長期的にネジバナを栽培する場合には、非常に難しいことが知られています。

ネジバナは自然の状態でも個体の寿命が短く、短い期間で世代更新を続けています。そのため造成地などに短期間でネジバナの大群落が形成されることもあれば、ネジバナの大群落が数年で完全消滅してしまうこともあります。