プリムラ 寒さが残る春先に花を咲かせ、夏越しが難しい。様々な交配品種が生み出されている。

寒さが残る春先に花を咲かせる「プリムラ」

プリムラは、北半球を中心に世界中に500種以上が分布するといわれている草花です。プリムラは、日本にも20種類近くが自生しています。

プリムラはラテン語で「最初」を意味する「primusu」が語源となっており、まだ寒さが残る春先に花を咲かせる特徴から名付けられたといわれています。

天文学者である、カール・ラインムートによって発見された小惑星プリムラ(970 Primula)は、その形がプリムラの花の形に似ていることから、名付けられました。

またドイツでは、花びらの形が鍵の束に似ていることから、「鍵の花」とも呼ばれています。

夏越しが難しい「プリムラ」

プリムラの開花時期は11月~4月です。プリムラは本来多年草ですが夏の高温多湿に弱く、夏越しが難しいため園芸的には一年草として扱われています。

プリムラの花色は紫、赤紫、黄、オレンジ、赤、ピンク、白、青、薄い青、レンガ色、複色があります。

プリムラは品種にもよりますが、株分けか種まきで増やします。プリムラのうち日本に自生している品種は、こぼれ種でも増えます。

プリムラは長い期間花を楽しめることから冬の花壇を華やかに彩り、寄せ植えやハンギングバスケットによく用いられます。

様々な交配品種が生み出されている「プリムラ」

プリムラは様々な交配品種が生み出されています。一般に広く流通している種類には「プリムラ・ジュリアン」、「プリムラ・ポリアンサ」、「プリムラ・マラコイデス」、「プリムラ・オブコニカ」があります。

プリムラ・ジュリアンはヨーロッパ原産で、背丈が10~30cmと小さな品種です。プリムラ・ジュリアンは早咲き品種なので、時期をずらして育てることで長い間花を楽しむことができます。プリムラ・ポリアンサは17世紀末に英国で作られた大輪品種で、「エラチオール」、「ブルガリス」、「ベリス」等のプリムラが元となって交配されたものを指します。プリムラ・ポリアンサは様々な花色をもつのが特徴的で、品種改良によって複色などもあります。

プリムラ・マラコイデスは、別名「ケショウザクラ」と呼ばれる中国原産の品種です。プリムラ・マラコイデスは他のプリムラよりも茎が長く大型で、ピンク、淡紫、白色の花びらをつけます。プリムラ・マラコイデスは高温多湿に弱いため、日本では一年草として扱われます。

プリムラ・オブコニカは「トキワザクラ(常磐桜)」「シキザキサクラ(四季咲き桜草)」とも呼ばれる、冬から春の長い期間花を咲かせる品種です。プリムラ・ジュリアン、プリムラ・ポリアンサと同じ早咲き品種で、育てやすいという特徴があります。プリムラ・オブコニカは毎年花を咲かせる多年草で、白、オレンジ、紫色の花を咲かせます。

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