バーベナ 平和を象徴する花。花つきに優れた改良品種が人気で、約250種の野生種がある。
平和を象徴する花「バーベナ」
バーベナはクマツヅラ科バーベナ属で多年草と一年草の2種類があります。バーベナは春から晩秋まで咲き続け、真夏でも生育旺盛でつぎつぎと花を咲かせます。
バーベナの原産地は南北アメリカの熱帯から亜熱帯で、ヨーロッパでは古くからお祝い行事に利用されるほか平和を象徴する花として親しまれています。
バーベナの英名は、「スレンダーバーベイン」です。バーベナは古代より神々に捧げたり魔を追い払う儀式に使われたりしていたため、宗教上の「神聖な花(バーベイン)」を指す名前がつきました。
バーベナの和名は「ビジョザクラ(美女桜)」と呼ばれますが、5弁の小さな花をたくさん咲かせる姿が桜に似ているからとする説と小花が集まって咲く姿がサクラソウを思わせるからとする説とがあります。
花つきに優れた改良品種が人気「バーベナ」
バーベナの開花時期は、5月中旬~11月中旬です。バーベナの花は伸ばした茎に小さな花をたくさんつけて、房状の花序になります。
バーベナは白や赤、ピンク、紫、赤紫、青紫、複色など花色が豊富で、花つきに優れた改良品種が特に人気があります。
バーベナの葉は品種によって羽状のものと楕円形のものとがあり、細かな毛が生えています。
バーベナの交雑種は、横に伸びる性質を利用してハンキングやグランドカバーに用います。
約250種の野生種がある「バーベナ」
バーベナには約250種の野生種がありますが、バーベナの主な園芸品種には「花手毬」や「タピアン」、「スーパーベナ」、「ボナリエンシス」、「ハスタータ」などがあります。
花手毬は大きな花房で花つきがよく、ほふくしてカーペットのように一面に花が咲きます。花手毬の葉は楕円形で鮮やかな花色が多く、暑さに強い特徴があります。
タピアンは比較的淡めの花色が多く、葉も羽状で繊細な印象です。タピアンは暖地では、霜よけしなくても露地で冬越しできます。スーパーベナは様々な花色がそろう品種群で、花が比較的大きめでよく目立ちます。
ボナリエンシスは「サンジャクバーベナ」や「ヤナギハナガサ」とも呼ばれる宿根タイプの高性バーベナで、比較的暑さにも強いです。ボナリエンシスは水はけがよければ地植えでも丈夫に育つため、ボーダーガーデンによく合います。ハスタータは北アメリカ原産の宿根タイプのバーベナで、丈夫で花もよく咲き大型になります。ハスタータは花は小さめで野趣があり、一般的には花色は紫ですが白花種も出回ります。

