カーネーション 冠を飾る際に使われた花。切り花でも花もちが抜群によく、品種改良が盛んに行われている。

冠を飾る際に使われた花「カーネーション」

地中海沿岸の地域を原産地とするカーネーションは、ナデシコ科の多年草です。

カーネーションの名前の語源には諸説あり、なかでも冠を飾る際に使われた花であることから、「コロケーション(戴冠式)」に由来するという説が有名です。

カーネーションの栽培の歴史は古く、古代ギリシャ時代にはすでに人々の手によって栽培されていました。当時のカーネーションは鑑賞するためだけでなく、食用としても使われていました。

カーネーションには「オランダセキチク(阿蘭陀石竹)」、「オランダナデシコ(阿蘭陀撫子)」、「ジャコウナデシコ(麝香撫子)」といった和名がつけられていますが、日本では明治時代の終わりに東京で栽培が始まったといわれ、全国に広まったのは大正時代になってからです。

切り花のなかでも花もちが抜群によい「カーネーション」

カーネーションの開花時期は、4月~6月です。カーネーションの花色には母の日に最もよくつかわれている赤のほか、ピンクもよく出回っています。

他の色では、白や黄色、オレンジ、緑、茶、紫などがあり、1995年には遺伝子組み換え技術によって、自然界にはない青色色素をもつ品種も誕生しています。

カーネーションの花もちは切り花のなかでも抜群によく、爽やかな香りがある品種もあります。

カーネーションは日本では「キク」、「バラ」に次いで生産量が多く、年間を通してフラワーアレンジやブーケなどに利用の多い花です。

品種改良が盛んに行われている「カーネーション」

カーネーションの品種改良が始まったのは16世紀頃のイギリスで、最初は白や赤などの品種から作られはじめ、現在でもヨーロッパを中心に盛んに行われています。カーネーションの品種には、「スタンダードカーネーション」、「スプレーカーネーション」、「ポットカーネーション」の3種類があります。

スタンダードカーネーションは1本の茎の先に、1輪の花を咲かせます。スタンダードカーネーションは花が大きく、華やかな印象があります。

スプレーカーネーションは枝分かれした茎の先に、複数の花が咲きます。スプレーカーネーションの花は小さめで、花が咲くつぼみと咲かないつぼみがあります。

ポットカーネーションは、鉢物向きに育成された品種で、節間が詰まって葉が密に茂り、草丈10~30cm程度で花を咲かせます。ポットカーネーションは大きく分けると、花径4~5cmの大輪タイプと、小輪の「ミニカーネーション」と呼ばれるタイプがあります。

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