ホタルブクロ 古くから観賞用として親しまれており、洋風や和風の庭いずれにも合う。

古くから観賞用として親しまれている「ホタルブクロ」

ホタルブクロ(蛍袋)は、日当たりのよい草原や山地に広く自生するキキョウ科の多年草です。ホタルブクロは日本、朝鮮半島、中国、シベリアなど東アジアに広く分布します。

ホタルブクロの名前の由来は、花の中に「ホタル」が入ると考えたためとする説や、提灯の古名「火垂る袋」が転じた名前とする説などがあります。

ホタルブクロは地方ごとの呼び名も多く、「トーローバナ」や「トッカンバナ」、「チョウチンバナ」、「チョウチン」、「フクロバナ」、「ツリガネソウ」などの別名があります。

ホタルブクロは古くから観賞用として親しまれており、野趣と愛嬌のある花姿が好まれ、庭園、鉢植え、茶花などに利用されています。

洋風や和風の庭いずれにも合う「ホタルブクロ」

ホタルブクロの開花時期は5月下旬~7月で、立ち上がった花茎から釣り鐘形の花を2~5輪程度咲かせます。ホタルブクロの花色は淡い紫の他に、ピンクや白などがあります。

ホタルブクロは自家受粉を避けるため、まず雄しべができてから雌しべができます(雄性先熟)。そして受粉した後に種子ができ、果実ができます。

ホタルブクロは細い地下茎を伸ばして増え、開花した株は種子と多数の子株を残して枯れます。ホタルブクロの子株は1~2年で親株になります。

ホタルブクロは草丈が30~80cm程になり洋風や和風、自然風の庭いずれにも合いますが、株が地下茎で広がりやすいため特に自然風の花壇に向いています。

多くの変種や園芸品種「ホタルブクロ」

ホタルブクロは多くの変種や地域品種、園芸品種が知られています。「ヤマホタルブクロ」はホタルブクロの変種で、ホタルブクロと見た目はよく似ていますが、がくに付属体がありません。

「イシダテホタルブクロ」は徳島県石立山に自生する固有の変種で、草丈が10cm程にしか伸びない極矮性種です。花は淡いピンクで紫色の斑点が細かく入ります。

「シマホタルブクロ」は伊豆七島から関東地方の太平洋岸に分布します。花は白で大きさはやや小さく、茎や葉など全体に毛が生えないものが多いです。

園芸品種である「白糸ホタルブクロ」は、白色の花の袋が裂けた采咲き(さいさき)で、葉も細いのが特徴です。「カンパヌラ・サラストロ」とともに「紫ホタルブクロ」や「青花ホタルブクロ」の名で流通している「ケント・ベル」は、「タケシマナ」と「カンパヌラ・ラティフォリア」の交配種で、鮮やかな紫色の花を咲かせます。

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