サルスベリ 幹がつるつると滑らかで、開花期が長期間。園芸品種がたくさんある。
幹がつるつると滑らか「サルスベリ」
サルスベリ(猿滑り)はミソハギ科サルスベリ属の落葉高木です。サルスベリは中国南部及びインドを原産とし日本に自生はありませんが全国の街路、公園及び庭園等に多数植栽されています。
サルスベリが日本へ渡来したのは、江戸時代以前とされています。サルスベリは幹の雰囲気が日本で沙羅の木としている「ヒメシャラ」や「ナツツバキ」に似ているため、寺院など仏教関連の施設に植栽されることも多いです。
ナツツバキ ツバキに似た花を夏に咲かせ、清楚で涼しげな白い花。仲間はアジア、アメリカに分布。
サルスベリは原産地の中国では、花が咲く期間が100日ほどと長いことに由来して「百日紅(ひゃくにちこう)」という名前がつきました。英名の「Crape myrtle」は、ちりめん(crape)のようなマートル(ギンバイカ)に似た花という意味からつけられています。和名の「サルスベリ」は幹がつるつると滑らかで、サルも滑って登りづらいという意味からつけられました。
サルスベリは明るく丸い葉やつやのある幹が美しく、和にも洋にも合う庭のシンボルツリーとしてもよく見られます。
開花期が長期間「サルスベリ」
サルスベリの開花時期は7月~10月で、夏から秋にかけて次々と開花します。サルスベリは新梢を伸ばしながら枝先に花芽をつくり、開花期が長期間となります。
サルスベリの花径は3~4㎝で、花色は薄いピンク、白、赤、藤色などで品種によって異なります。
サルスベリは生育旺盛で、最大10mまで生長するため、大きくなりすぎて手入れが大変になることもあります。
サルスベリは樹皮が剥がれ落ちた部分は灰褐色や茶色、薄緑色などとまだらになり模様が美しく冬でも観賞用の樹木として楽しむことができます。
園芸品種がたくさんある「サルスベリ」
サルスベリには園芸品種がたくさんあり代表的な品種に「カントリーレッド」や「ブラックパール」、「タスカローラ」、「ペパーミントレース」、「チカソー」があります。
カントリーレッドはサルスベリの中では幹がまっすぐ育つ種類で成長も早く、濃いピンク色の鮮やかな花を咲かせます。ブラックパールは光沢のある葉が黒く、白い花が咲くものと薄ピンクの花が咲くものがあります。
タスカローラはサルスベリとヤクシマサルスベリの交配種で、非常に鮮やかなピンクの花と灰褐色の幹が美しい品種です。ペパーミントレースは別名「夏祭り」と呼ばれる品種で、花色は内側が赤で白の縁取りとなっています。
チカソーは矮性のサルスベリで、樹高が高くならないため管理がしやすく公園などにもグランドカバーとして植えられています。チカソーは寒さにも強いので、関東以北でも植えることができます。