アオキ 常緑でいつも青い葉がついていて、枝も青い。鮮やかな赤い果実で、変異や園芸品種も多い。

常緑でいつも青い葉がついている「アオキ」

アオキ(青木)は北海道南部から沖縄まで日本各地に広く分布する樹木です。アオキは海岸近くの樹林や、身近な雑木林の林内にも自生しています。

アオキという名前の由来にはアオキは常緑でいつも青い葉(緑色の葉)がついているためという説と、枝も青い(緑色)ためという説とがあります。

アオキはスコットランド出身の植物学者ロバート・フォーチュンがアオキの雄株を日本から持ち帰り、赤い果実をつけることに成功する以前からヨーロッパでも関心が高く、世界中で園芸用品種として定番の植物となっています。

アオキは最も日陰に強い植物として知られ、垣根のほか家の北側など条件の悪い場所の庭木としてもよく用いられています。

鮮やかな赤い果実「アオキ」

アオキの開花時期は3月~5月で、直径1㎝程度の花が円錐状に集まって枝先に咲きます。

アオキには雄花が咲く雄株と雌花が咲く雌株があり、1本の木では結実しません。アオキの花びらは雄花も雌花も4枚で、薄紫色をしています。

アオキの果実は直径2㎝程度と大きく、でき始めの果実は緑色ですが、1月頃から色付き始めて鮮やかな赤になり、翌年の花が咲く月まで枝に残ることもあります。アオキには赤い果実がなる品種以外にも、クリーム色の果実がなる「シロミノアオキ」やレモン色の果実がなる「キミノアオキ」などがあります。

アオキの葉には抗菌作用があり、葉を炙って人工的に黒変させたものを火傷やしもやけ、凍傷、イボ、魚の目の患部に当てると、症状を鎮める効果があるといわれています。また煎じたアオキの葉は、下剤にもなります。

変異や園芸品種も多い「アオキ」

アオキは成長しても2m程度にしかならない低木ですが、アオキの品種のうちアオキよりも一周り小さく、豪雪地帯に適応した野生種が「ヒメアオキ(姫青木)」です。

ヒメアオキは北海道や日本海側に自生しており、高さは1m程度にしかなりません。ヒメアオキは限られた日差しに対応するため、葉や果実もアオキより小さく、若い枝や葉柄には毛が生えています。

またアオキは変異も多く、アオキの園芸品種として散り斑、覆輪、中斑など葉に模様が入る品種や、葉の形が異なる品種があります。

「ホソバアオキ(細葉青木)」は葉が細く、つややかさの強調された見た目が特徴で、「亀甲葉アオキ」は葉全体が黄色で、葉脈だけ青々としている見た目が特徴です。

税務歳時記更新中