ユズ 耐寒性が強く、冬至の日は柚子湯に。花は香りが強く、リラックス効果がある。

耐寒性が強い「ユズ」

ユズ(柚子)はミカン科ミカン属の常緑小高木で、海外でも「ユズ」と呼ばれています。

ユズの原産地は中国の揚子江上流とされていますが、飛鳥時代あるいは奈良時代に朝鮮半島を経由して日本へ渡来しました。

ユズは耐寒性が強いので、東北地方まで栽培が可能な数少ない柑橘類です。ユズは初心者でも育てやすく、主に鉢植えや庭木として植栽されています。

ユズの果実は、生薬名で「橙子(とうし)」、果皮は「橙子皮(とうしひ)」、種子は「橙子核(とうしかく)」と呼ばれており、古くから毎年12月の冬至の日に「柚子湯」に入るとその冬の間風邪を引かずに過ごせると言われています。

花は香りが強くリラックス効果がある「ユズ」

ユズの開花時期は5~6月で、直径2~3㎝ほどの白い花が枝先近くに咲きます。ユズの花は、夏の季語としても使用されます。ユズの花は香りが強くリラックス効果があり、乾燥させてハーブティーにしたり、お吸い物などの料理に使われます。

ユズの果実は直径4~7㎝、重さ120g前後で表面はデコボコしており、10~1月にかけて熟すと鮮やかな黄色になります。ユズは自家結実性で1本でも果実ができますが、種子から育てると実がなるまでに15年ほどかかります。

ユズの果実は酸味が強すぎるため生食よりも「マーマレード」や「ゆず酒(果実酒)」などに使われることが多いです。またユズの果皮は簡単に剥けて扱いやすいため、砂糖漬けやすりおろして薬味として使うほか、「柚餅子(ゆべし)」、「柚子味噌」、「柚子醤油」など、古くから各地の家庭料理に使われてきました。韓国の伝統茶として知られる「柚子茶」は、柚子の皮を蜂蜜や砂糖に漬け込んで煮詰めたものです。

ユズは8月頃に「青玉」と呼ばれる未熟な青い果実が収穫され、11月下旬あたりから黄色い熟した果実が鍋の季節に合わせて収穫され出回ります。ユズの果実は貯蔵性もあり、年末までに収穫された果実が貯蔵され春頃まで店頭に並びます。

大きく3種類ある「ユズ」

柑橘系の種類の中でもユズとよばれているものには大きく「本ユズ」、「花ユズ」、「獅子ユズ」があります。ユズの主な産地は高知県や徳島県、愛媛県などがあります。

本ユズは「木頭系」という種類のユズで、柑橘系の中でも特に酸味が強いといわれています。本ユズは香水や精油などにも使用されたり、果皮を煮詰めて食用にも使用されています。

花ユズは本ユズよりもやや小ぶりの果実をつけ、果汁は多くなっているのが特徴です。花ユズはすっきりとした果汁なので、加工して肉魚料理に合わせて使用されることが多いです。

獅子ユズは「鬼ユズ」とも呼ばれていますが、文旦の一種です。獅子ユズの果肉は人の頭くらいの大きさで20㎝以上にもなり、非常に大きいのが特徴です。獅子ユズの見た目はしわしわで、外皮が隆起していて重さは1㎏まで育ちます。獅子ユズは砂糖と煮詰めて重曹を加えてジャムに加工するなど、様々な加工食品として使用できます。

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