クコ 花と実が一緒にできるように見える。漢方や民間薬で繁用されてきた重要な薬草の一つ。

庭木として垣根などに使われることもある「クコ」

クコ(枸杞)は人里周辺の道端や荒れ地、海岸の砂地、林縁の薮などの比較的明るい場所に群生している高さ1~1.5mの落葉または半常緑低木です。

クコはナス科で別名「ウルフベリー」 、「ゴジベリー」ともよばれ、北海道から沖縄まで日本全国に分布し、日本のほか朝鮮半島、中国、台湾、ネパール、パキスタンにも自生しています。

クコは芽を出す力が強く、剪定にも耐えるため庭木として垣根などに使われることもあります。

クコは日当たりと水はけのよい場所であれば、特に土質を選ばずよく育ち乾燥にも比較的強いですが、つる状に伸びることが多く樹形は整えにくいため、観賞用というよりは実用として栽培されています。

花と実が一緒にできるように見える「クコ」

クコの開花時期は7月~11月と長く、淡い紫色の花が1~4輪ほど葉の付け根にぶら下がるように咲きます。

クコの花の直径は1センチくらいで花の形は釣鐘型をしており、花の先端は五つに裂け、1本の雌しべを5本の雄しべが囲んでいます。

クコの実は長さ1~1.5センチ、直径0.5センチ程度の楕円形で水分が多く、9月~12月に実ります。果実には白ゴマに似た種子が10粒以上入っていますが、繁殖は挿し木によることが多いようです。

クコの実は熟すと鮮やかな赤色になりますが自然に落ちることが少なく、長い間木の上に残ります。そして翌年の花期に熟すため、花と実が一緒にできるように見えます。

漢方や民間薬で繁用されてきた重要な薬草の一つ「クコ」

クコは株全体が薬用にされ、平安時代から漢方や民間薬で繁用されてきた重要な薬草の一つです。クコの根皮は「地骨皮(じこつび)」とよばれ、秋に採取してよく水洗いした後、皮をはいで乾燥させて使います。

クコの葉は「枸杞葉(くこよう)」とよばれ、春から秋の間に完全な葉を採取して日干しにします。葉は乾燥して「クコ茶」とするほか、若葉は炊き込みご飯、あえ物、天ぷらなどにします。

クコの果実は「枸杞子(くこし)」とよばれ、秋に採取します。果実は果実酒(クコ酒)にしたり薬膳などで利用されますが、デザートや菓子の材料にも使われ、特に「杏仁豆腐」の添え物として知られています。

またクコの仲間の「アツバクコ」は別名を「ハマクコ(浜枸杞)」といい、ハワイや小笠原諸島などの亜熱帯及び熱帯に分布する品種です。アツバクコは海辺の岩場で這うように育ち、クコと同じような花や実がなり、薬用となります。