ナンテン 難を転じる縁起木。栽培の歴史が古く、殺菌・防腐効果がある。

難を転じる縁起木「ナンテン」

ナンテン(南天)は本州の関東より西、四国、九州など比較的あたたかい地域の山林に自生する常緑もしくは半常緑性の低木です。

ナンテンは中国や日本が原産で、自然界では1~3mほどまで生長します。

ナンテンの名前は、中国の漢名「南天竹」、「南天燭」に由来します。

「ナンテン」という語感が「難(ナン)を転(テン)じる」に通じるため、縁起木、厄よけ、魔よけとして古くから玄関先や庭に植えられてきました。また、ナンテンは「鬼門」と呼ばれる南西の方角に植えるのが良いとされています。

栽培の歴史の古い「ナンテン」

ナンテンの開花期は6月から7月で、小さな白い花がまとまって咲いて、円錐状になります。そして晩秋から冬(11月から2月)にかけて、丸くて赤い果実をたくさん実らせます。

ナンテンは栽培の歴史の古い樹木で、江戸時代から明治にかけて100種以上の園芸品種がつくられたといわれており、現在でも40種ほどが栽培されています。

ナンテンは出島に初めて薬草園を作ったドイツ人医師ケンペルによって、ヨーロッパにも紹介されました。

ナンテンは基本種の他にも、果実は熟しても赤くならず、やや黄味を帯びた白色の「シロナンテン(白南天)」、葉が糸の様に細くなる「キンシナンテン(錦糸南天)」、紅葉する葉がひときわきれいで、冬花壇に彩を添える「オタフクナンテン(お多福南天)」、葉柄が組み合わさり、いかだのようになるのが特徴の「イカダナンテン(筏南天)」、葉が密集していて、その姿がまるで畳んだ折り鶴のような姿をしている「オリヅルナンテン(折鶴南天)」、黄色の実をつける品種で、実が熟すと薄紫色に色づく「フジナンテン」などがあります。

殺菌・防腐効果がある「ナンテン」

ナンテンの赤い実には「咳止め効果」がある成分が含まれています。漢方では、ナンテンの乾燥させた果実を「南天実(なんてんじつ)」といい、「咳止め剤(鎮咳剤)」として使われています。

ナンテンの葉がおせち料理や赤飯、魚料理などに添えられていることがありますが、ナンテンの葉に含まれる成分が分解されることによって「殺菌・防腐効果」があると言われています。

ナンテンと似ていて間違いやすい植物には、街路樹でよく見かける「ナナカマド(ヤマナンテン)」や、「イイギリ(ナンテンギリ)」などがあります。

ナンテンは丈夫な性質のため、植えられたものが野生化しているものもよく見られます。